浜松市において、これまでの「指定管理者制度」の見直しが行なわれています
指定管理・・・とは、従来行政が管理していた施設や業務を経営効率化のため民間に委託することを言います
私達が運営する「みさくぼオートキャンプ場・マロニエの里」もそのひとつです
今それら旧町村各施設の廃止や民間への払下げなど、制度自体が大きく変わろうとしています
理由は、行政が所持するべき費用対効果が無い、もしくは著しく少なく採算が合わないと判断されることによるもので、その結果として当然天竜区など山間地域の施設などは、その対象になりやすくなります

新たな公(おおやけ)とは、これまで行政が担ってきた領域を「公(おおやけ)」に開く取組みを試行することを通して「新しい公共」の担い手となるボランティア・NPO等の自立的活動を後押しすること・・・
近年、これまで行政が担当してきた公の領域、及び公と私との中間的な領域において、行政と多様な主体の協働による地域づくりが急速に進展しています
この言葉を最初に使ったのは、国土交通省で平成19 年に「多様な主体が協働し、従来の公の領域に加え、公共的価値を含む私の領域や公と私との中間的な領域にその活動を拡げ地域住民の生活を支え、地域活力を維持する機能を果たしていくという「新たな公」と呼ぶべき考え方で地域づくりに取り組む」
その背景には、 財政危機で行政である「公」の現実的な活動が制限された部分が多くあります
国が潤沢な予算を持ち、それを景気対策の目的を加味して、地方で使うと誰もが喜ぶという幸福の構図はもはやなく、つまり「新たな公」とは、公の範囲の拡大と、これまでの公の役割の見直しという二つの要素を含んでいるのです
また公の対極は民、従来はこの二つの要素で充分でしたが、現在ではNPOをはじめ両者の中間に様々な主体が存在します
そのために公は公共原理、民は利潤原理と単純に割り切ることができなくなりました
民間企業の中にも、私的な利益だけでなく公共的な価値を追求するものが現れ、ソーシャルビジネス、コミュニティビジネスという企業市民なる言葉が生まれたことにもよります
今私達が担う、公共施設の民間委託(指定管理制度)もこの頃から始まりだしました
その結果、「新たな公」による地域づくりという概念が浸透してきたのですが、行政側における従来組織の既得権益の保持、権限移譲の曖昧さによる活動の制限、担い手の確保、資金の確保を含め、その活動環境にはまだまだ課題も多く残されます
行政サイドにおいては、一部自らがおこなう施策の下請けのような認識にあることも事実あり、例えば、同様な施策を行政が行なえば公共事業(税金)ですが、NPOが受託して行なうと補助金・助成金にと変わり、結果としてコストカットばかりが追求され事業は形骸化し公共の利益は損なわれ、行政の財政都合だけが優先されるといった事態にもなります
公共の利益とは、国益とは何であるのか
浜松市合併後の山間地域における、「新たな公(おおやけ)」のあり方について、また問題提起してみたいと思います