先日購入した、『限界集落株式会社』の一冊を読み終えました
東京のIT企業を辞めた主人公が、人生の休息で訪れた故郷は
限界集落と言われる過疎・高齢化の小さな山村・・・
主人公は、村の人たちと交流するうちに、集落の農業経営を担うことになり
農業生産法人を設立、都会の企業経営を取り入れ悪戦苦闘しながらも集落の再生をめざします

まるで本中に出てくる村の様子は、ここ北遠地域の集落そのものの設定のようで思わず苦笑い、、、
よくぞ山村の現状を、ここまで調べ書き込んであるなと感心しました
私自身も8年前、この地に農業法人を設立し現在に至っていますが
未だ、地元農協との対立や行政との確執、地域での人間関係に思い悩みながらの日々・・・
もちろん、小説のようなドラマテックな展開は無いのですが
現代の農業や地方集落が抱える様々な課題、抵抗勢力との格闘の場面はおおいに共感できました
「限界集落」、「農林業の低迷」、「移住・交流行政の矛盾」
「市町村合併の是非」、「ワーキングプア」、「格差社会」
今の日本の農村に山積する様々な問題が、リアルに取り上げられています
実は読みながら、以前にこの主人公のモデルのような人物とあったことがあるなと思い出しました
彼は若くして某大手都市銀行をやめ
農業分野に新たな企業経営の手法を取り入れ成功を収めていました
現実には、この本中のような劇的なクライマックスはありませんが・・・
果たして、限界集落を再生しようとすることは本当にできるのか???
ひょっとすると、まだその可能性はどこかに残されているのかもしれません