長年お世話になった卸問屋の社長が亡くなり、お悔やみの挨拶に行ってきました
急なことで、葬儀に間にあわず失礼をしていたのですが
こちらとは先代からのお付き合い、私の生まれる前ですからもう50年以上にもなり
お茶や椎茸の商いのイロハを教えてもらった人でもあります

とにかく一途なひと、職人気質の頑固者というか、自分の信念や言葉を決して曲げない方でした
そして亡くなる直前まで仕事を続け生涯現役を通し
儲ける秘訣は、「綿密な分析と、あとは度胸と感さ!」が口癖でした
その昔、この業界は「椎茸相場(そうば)を張る」と言い、ある種賭けのような性格がありました
自分の相場感が当れば大儲け、はずれたら大損
まだ若い頃、この仕事を継いで間もない時だったと記憶していますが
「今は買い時、いっしょに今度の椎茸市場を丸ごと買っちまうか?」と誘われたことがあります
(生産者はひと箱ごとに乾椎茸を詰めて、定期的に開催される各地の市場に出荷します)
当時で数百ケースの出品分、金額ウン千万円の商い
賭け??? でも失敗したら、、、
「商人(あきんど)はいつも命張ってないとな!でないと面白くないぞ!」、と言われても
内心、半端ない緊張で心臓が口から飛び出しそうだった、、、ですね(笑)
今では業界も様変わりし、こんな商売は姿を消しましたが
間違いなく昭和の時代、日本の高度成長期を生き抜いた商人(あきんど)でした
心よりご冥福をお祈りいたします