★農家の灯(ともしび)★

本格的な冬をむかえ、茶畑には真っ白な霜がおりるこの頃です

この一年を振り返り、山間地農業の厳しさはまた一段と増してきたようです

★農家の灯(ともしび)★

3月の東北の大震災、原発事故による放射能の影響を受け

茶農家、問屋、販売店など県内茶業関係者は甚大な被害をこうむりました

弊社の茶工場でも5月の新茶の一時期は、生産しても全く買い手や引き受け手が無く

苦渋の決断の末、やむなく茶農家さんからの生葉買入を取止めたほどです

一年間丹精こめて育てた茶葉の新芽は、容赦なく畑に刈り捨てられました

農家さんからは、戸惑いと苦悩、行き場の無い怒り

そして、「あんたのせいじゃないしな、、、仕方ないな」とあきらめの声、、、

この時ばかりは、思わず耳をふさぎ、返す言葉も失っていました


ここ数年間にわたり茶価は低迷を続け、県内の茶業は苦しい立場にあり

次代を担う後継者は減り続けています

ましてや大規模化や経営効率が劣る山間地域では、若い担い手はほとんどいません

そんなな中での今回の事故・・・

過疎、高齢化するこの地域では、これを機に廃業する茶農家さんも多くなりそうです

先日も古くからの知り合いが「お茶も今年でやめる事にしたよ・・・」と

今多くの山間の農家に、来春に期待する声はありません

山間地の小さな農業の灯は、誰の目にも触れることなく静かに消えていきます


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この記事へのコメント
毎年 浜松の女友達が送ってくれていた新茶が今年は届かず、寂しい思いをしました。
TPPについても賛成派と反対派、農業への影響につても楽観派と悲観派が対立したままです。御地の農業の苦境はよく理解できても、残念ながら悲しい目で眺めていることしかできません。
Posted by クライネマン at 2011年12月20日 13:38
クライネマン さん おはようございます

記事のように当地を取り巻く環境は確かに厳しいものがあります
ただ、今となってはそれも時代の移り変わりなのだと見つめる他ありません

鉱山からの衰退、林業から衰退、土木業からの衰退・・・この町も時代によって幾多の歴史をくり返してきましたが、それはそれで仕方のないことですし、誰のせいでもなく、自然の川の流れのようなものだと受け取るしかありません

ですから、私はけっして今のこの地の姿を悲観しているわけでもなく、その時その時の自分たちのできる事を精一杯つとめ納得して暮らしていくことだと思っています、、、その結果がどうであれやむをえません

自分としてはもうしばらくここで、山の農業に取り組んでいこうと考えています
Posted by 水窪 at 2011年12月21日 08:27
かなしいかぎりですね…
これからの日本の農業・静岡の農業・水窪の農業の行く末を考えるとどうも希望は持てなくなってきているのが現状なのでしょうか…

後2年したら大学卒業になります…
そしたら水窪の地で地域の皆さんの力を借りながら、農業をしていこうと考えていますが、どんどん畑をやめていく人が多くなり、後継者もいない、今回の事件もあり、いろいろなことを加味していくと、かなり厳しいとは思います。

でもこんな時だからこそ若い力で頑張ろうとも感じます。
また何かの機会がありましたらよろしくお願いします。
Posted by もこ(つぶ食の孫) at 2012年01月10日 17:04
もこ(つぶ食の孫)さん おはようございます

はじめまして、コメントありがとうございます
以前、もこさんの受賞された文章を拝読させていただき
山間地農業への熱い想いに感銘を受けましたことを記憶しています

確かに今の日本農業(特に中山間地と呼ばれる地域)のおかれる立場は
厳しく未来の展望も開けない状況だとは思います

農業で生計を立てるには法人化した大規模化もしくは小さな自給自足の形態
いずれかどちらかの極端な形しかありえません
戦後日本の大多数の第二種兼業農家スタイルの存続は不可能な時代です

ただこれはあくまで既存の農業をベースとしての考えでして
私は今後は新たな発想を持った日本的農業経営が求められると思います

よく言われる6次産業化をより更に発展的に工夫した形態です
例えば、あなたの祖母が礎(いしずえ)を築いた地域を主体とした農業
生産から製造、加工、流通販売、レジャー、観光産業化まで・・・
経営規模の効率拡大化や販売チャンネルの開拓による可能性はありです

そして、農業をあらゆるメディアを活用して環境や文化として売るなど
その発想の多様性が近未来型の農業だと私は位置づけています
例えば、現在有機雑穀の需要は多いが、生産が間に合っていません
都会ではヘルス、アンチエイジングの基礎食品としてもてはやされています

見方を変えたら既存競争相手のいない山間地農業は面白いかもしれません
いつの時代も挫折と栄光、衰退と発展、損失と利益は表裏一体であることは
私自身の経験則でもあるからです

かなり厳しいハードルが待ち受けてはいるかと思いますが熟慮検討ください
若者には限りない可能性があります、期待しております
うちの愚息も農大でなにやらやっています、またご指導願います。。。
Posted by 水窪 at 2012年01月11日 08:43
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