★後継者について★

水窪

2012年03月22日 07:56

農林業分野では今、将来の担い手である後継者問題が深刻となっています
都市周辺ならいざしらず、当地のような山間過疎地で農業を継ぐ若者は少なく
いたとしても、専業として生計を立てることはきわめて難しい
農業から得られる収入は、一家の収入全体の一部(いわゆる第二種兼業農家)で
多くの場合、高齢の現役世代が引退または死亡したときには
一家のなかで農業を引き継ぐ後継者がいません
日本全体でも、農業従事者の平均年齢は65.8歳,35歳未満は5%
しかも専業農家が減り、兼業農家が日本の農業の主な担い手となっているのが現実
家族で消費するだけの作物を栽培して市場に出さない農家もたくさんあります



そんな農業に疑問や危機感を持ちながら、法人化したのが7年前のことでした
現行の家業的経営では、大規模な資本集約的農業に対抗できない
経営の近代化と協働化を進めるためにも農業の法人化が必要であろうと
山間地農業も多角的な事業の展開もしなければ、いずれ破綻してしまう
会社組織であれば、農業経営を志す若者が次世代を担ってくれるのではとの希望もありました
しかし恥ずかしながら、肝心な後継者の育成はお世辞にも上手くいったとはいえません

お世話になった肥料会社の社長が跡継ぎが無く、資本参加していた会社に株式の一切を譲度し
名称は変わりませんが、経営から全て退くことになりました
本来、会社とは公的のものであり、一般的には当たり前の話なのですが
家業的農家が創業したような特殊な農業法人の形態が、後継者を得ることは簡単ではありません
社長は以前から、機会があれば早い時期に会社の安定と成長のためにも
第三者に任せたかったと言っていました

個人の能力や体力(健康への不安ですとか)には自ずから限界がありますし
培った基盤やノウハウを後世につなげるためにも
そして地域の企業として存続していくためにも、後継者の問題は避けて通れません
うちでも農業会議所でお世話になった方に相談しながら話を進めています

先日、天竜区内の数人の若手農業者達が新たに会社を設立する話を聞きました
農業もグローバル化に向かい変革の時を迎えています


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