★商人(あきんど)★

水窪

2012年02月07日 08:00

長年お世話になった卸問屋の社長が亡くなり、お悔やみの挨拶に行ってきました

急なことで、葬儀に間にあわず失礼をしていたのですが

こちらとは先代からのお付き合い、私の生まれる前ですからもう50年以上にもなり

お茶や椎茸の商いのイロハを教えてもらった人でもあります



とにかく一途なひと、職人気質の頑固者というか、自分の信念や言葉を決して曲げない方でした

そして亡くなる直前まで仕事を続け生涯現役を通し

儲ける秘訣は、「綿密な分析と、あとは度胸と感さ!」が口癖でした


その昔、この業界は「椎茸相場(そうば)を張る」と言い、ある種賭けのような性格がありました

自分の相場感が当れば大儲け、はずれたら大損

まだ若い頃、この仕事を継いで間もない時だったと記憶していますが

「今は買い時、いっしょに今度の椎茸市場を丸ごと買っちまうか?」と誘われたことがあります

(生産者はひと箱ごとに乾椎茸を詰めて、定期的に開催される各地の市場に出荷します)

当時で数百ケースの出品分、金額ウン千万円の商い

賭け???   でも失敗したら、、、

「商人(あきんど)はいつも命張ってないとな!でないと面白くないぞ!」、と言われても

内心、半端ない緊張で心臓が口から飛び出しそうだった、、、ですね(笑)


今では業界も様変わりし、こんな商売は姿を消しましたが

間違いなく昭和の時代、日本の高度成長期を生き抜いた商人(あきんど)でした

心よりご冥福をお祈りいたします


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