★農家の灯(ともしび)★

水窪

2011年12月20日 07:45

本格的な冬をむかえ、茶畑には真っ白な霜がおりるこの頃です

この一年を振り返り、山間地農業の厳しさはまた一段と増してきたようです



3月の東北の大震災、原発事故による放射能の影響を受け

茶農家、問屋、販売店など県内茶業関係者は甚大な被害をこうむりました

弊社の茶工場でも5月の新茶の一時期は、生産しても全く買い手や引き受け手が無く

苦渋の決断の末、やむなく茶農家さんからの生葉買入を取止めたほどです

一年間丹精こめて育てた茶葉の新芽は、容赦なく畑に刈り捨てられました

農家さんからは、戸惑いと苦悩、行き場の無い怒り

そして、「あんたのせいじゃないしな、、、仕方ないな」とあきらめの声、、、

この時ばかりは、思わず耳をふさぎ、返す言葉も失っていました


ここ数年間にわたり茶価は低迷を続け、県内の茶業は苦しい立場にあり

次代を担う後継者は減り続けています

ましてや大規模化や経営効率が劣る山間地域では、若い担い手はほとんどいません

そんなな中での今回の事故・・・

過疎、高齢化するこの地域では、これを機に廃業する茶農家さんも多くなりそうです

先日も古くからの知り合いが「お茶も今年でやめる事にしたよ・・・」と

今多くの山間の農家に、来春に期待する声はありません

山間地の小さな農業の灯は、誰の目にも触れることなく静かに消えていきます

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