★農業のやりかた★

水窪

2010年12月09日 07:55

昨日、このブログで何気なく 

(農薬を使わない本当?別?の理由も時間があれば、お話しますが)

と書いたのですが・・・

ある方から気になるなといわれましたので、そのわけを少しお話します



もちろん、まずは安心して皆さんにお茶を飲んでいただくためなのですが

実は、うちをはじめ近隣の農家が農薬を使うことをやめたのには

幾つかの理由があります


昭和の高度成長の時代、農家が農産物を効率的に大量に生産するため

農薬は欠かせないものでした、そして確かに効果はありました

ただ、その一方で、知らないうちに農家自身がその被害を受けるようになったのです

当時、お茶の農薬散布時は、防護マスクとメガネに雨カッパを着込んでの作業

それでも、農薬は身体にかかったり、口や鼻から吸い込んだりしました

結果、仕事のあとに体調を崩したり、手足が赤くなることもしばしば・・・

ただ、大量の化学肥料と農薬使用の神話がまことしやかに謳われていた時代ですから

疑問を感じながらも、それが悪いと口にすることはタブーとされていたのです

しかし、その後、米に含まれる水銀の蓄積や合成洗剤、PCBなど水質汚染

大気汚染につながる排気ガスの問題が次々と問題となり

また、作家・有吉佐和子さんの「複合汚染」が世に出て注目され

農薬と化学肥料に頼った近代農法の恐ろしさが知られることになりました

そして、ある時、私たちの集落は農薬散布と手を切る覚悟を決めたのです

無農薬栽培にうつった大きな理由のひとつは、農家自身の農薬への恐怖だったのです

ただ、農家ごとの考え方もあり、全て移行するには数年の歳月がかかりましたが・・・


また、当時の大企業やJAは自らの莫大な利益優先のため

必要以上の化学肥料や農薬の販売を農家に半ば強制し

指導に従わなければ、農家は作物を市場において高値で売ることが出来ませんでした

もちろん、それを黙認していた行政の怠慢もありましたが

個々の農家の立場は、すこぶる弱いもので従うしかなかったのです

しかし、アメリカや欧州で農薬や環境規制に関する法律が次々成立し

国際社会が劇的な変化をし、日本農政の方針が転換されたのも理由のひとつです


なぜ無農薬なのか? なぜ有機なのか?

私達は、日本農業の歴史の変遷とともに、根底にある本当に大事な問題を

消費者にしっかり伝えていかなければならないと思っています

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