★女達の青崩峠★

水窪

2009年02月02日 08:19

   派遣切りにあった20歳代になる若者が、線路に飛び込んで自殺、、、

   この報道を見て、水窪の特養ホームにいる、あるばあちゃんの話を思い出しました




   ・・・南信濃との県境に青崩峠があります

   青崩峠は、遠州と信州の国境にあって、古くからある信州街道の峠であり

   この道は昔から海の幸や山の幸が、馬や人の背によって運ばれたことから

   「塩の道」ともいわれています

   ただ、近代においては可憐な少女(当時は中学生くらい)たちが製糸工女として

   他郷で働くため越した峠でもあるのです


   『女工哀史』という紡績工場で働く女性労働者(女工)たちの

   過酷な生活を克明に記録されたルポルタージュがありましたが

   はな(名前)ばあちゃん(今、90歳をこえたかな)の話によると

   この峠も、明治から大正そして昭和のはじめ、信州の飯田や岡谷などへ

   糸ひき稼ぎに行った若い娘達が、吹雪の中を命がけで通った街道で

   故郷へ帰る年の暮れには、雪の降り積もる険しい道中

   郷里の親に会うことも出来ず死んでいったり

   工場で病気になったり、働けなくなり、稼ぎが出来なくなると

   途中の天竜川に、何人も身を投げて亡くなったそうです(実話です)




   当時、彼女たちは貴重な労働力であったわけで

   北遠地方の貧しい家にとって収入源だったわけです

   労働条件や環境はどこも変わりなく劣悪なもので

   生活のため、忍耐・我慢の毎日であったことでしょう

   ・・・今の時代の派遣切り、、、なにも変わってない気がします

   いつの世も、弱い者がただ切り捨てられていく世の中、、、

   企業や社会は、いったい誰のためにあるのか?
 

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