★女達の青崩峠★
派遣切りにあった20歳代になる若者が、線路に飛び込んで自殺、、、
この報道を見て、水窪の特養ホームにいる、あるばあちゃんの話を思い出しました
・・・南信濃との県境に青崩峠があります
青崩峠は、遠州と信州の国境にあって、古くからある信州街道の峠であり
この道は昔から海の幸や山の幸が、馬や人の背によって運ばれたことから
「塩の道」ともいわれています
ただ、近代においては可憐な少女(当時は中学生くらい)たちが製糸工女として
他郷で働くため越した峠でもあるのです
『女工哀史』という紡績工場で働く女性労働者(女工)たちの
過酷な生活を克明に記録されたルポルタージュがありましたが
はな(名前)ばあちゃん(今、90歳をこえたかな)の話によると
この峠も、明治から大正そして昭和のはじめ、信州の飯田や岡谷などへ
糸ひき稼ぎに行った若い娘達が、吹雪の中を命がけで通った街道で
故郷へ帰る年の暮れには、雪の降り積もる険しい道中
郷里の親に会うことも出来ず死んでいったり
工場で病気になったり、働けなくなり、稼ぎが出来なくなると
途中の天竜川に、何人も身を投げて亡くなったそうです(実話です)
当時、彼女たちは貴重な労働力であったわけで
北遠地方の貧しい家にとって収入源だったわけです
労働条件や環境はどこも変わりなく劣悪なもので
生活のため、忍耐・我慢の毎日であったことでしょう
・・・今の時代の派遣切り、、、なにも変わってない気がします
いつの世も、弱い者がただ切り捨てられていく世の中、、、
企業や社会は、いったい誰のためにあるのか?
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