★IT農業の撤退★

水窪

2009年01月26日 08:11

   新聞に、東京都心ビル地下にある植物農場が閉鎖する記事が掲載されていた

   これは、パソナが4年前に農業参入

   光を使って、米を都心ビルの地下で作るといった画期的なことだった


   植物工場については、もう以前から研究され、注目の新たな農業分野であり

   アグリビジネスとして、葉物野菜などは既に実用化され商品として流通している



   私も5~6年前、ある光植物栽培を研究する大学教授に紹介され

   飯田市(当時は先駆的な実験をしていた)の植物工場を見学に行った


   天候に左右されない、年間安定した品質が可能、廃工場の再利用、

   安心・安全などのメリットが最大のうたい文句であった

   当時は国(小泉政権)も、農業界の救世主のように扱われ全面支援

   大企業がアッと驚くような、農業展開を見せた


   ただ、最大の課題はコストだった(今でも、もちろんそうなのだが)

   あまりにもかかる生産コストに、安い農産物では採算が合わない

   そして莫大な栽培設備の投資やかかる経費(電気代やランニングコスト)

   実際、私も空き工場を確保し、試験栽培を試みようとしたが断念した

   現在は、太陽光発電やLEDなどの新たな光源利用やコスト削減もすすんでいるが

   現実として今、一般農家の参入は進んではいない



   大企業の農業参入や農家の集約、法人化は国の政策方針でもあり

   もちろん研究開発は、日本農業にとっても世界にとっても重要課題ではあるが

   あまりに、話題先行で現実性に欠ける、行政はじめ第三者機関の提案は

   地道に零細農業を営む農家にとっては、ありがた迷惑の感もある〈失礼〉

   『ものづくりとは本来、一歩一歩こつこつ自然と調和しながらすすむもの、、、』

   私の考えは、既に時代遅れのおじさんである事は、十分認識したつもりで一言

   当時見た自動車の部品生産のように、すべてがコンピュター制御で栽培され

   植物工場内で青梗菜などの大量野菜が、次々とコンベアーを流れる風景は

   少々、不気味であった思い出がある(昔のチャップリンの映画みたいに、、、)
 

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