★再生事業への道のり★

   運命の巡り会わせか、市町村合併を機にたまたま再生に絡む仕事を引き受け

   ちょうど四年の月日が過ぎた・・・


   旧町が運営していた観光施設、そしてJAから委託を受けた製茶工場

   どちらも創業当時の華やかな業績は影を潜め、すでに衰退の一途だった

   しかし、不思議なことにあの頃は、事業に関わる誰一人として危機感は無かった

   「いずれ、なんとかなるだろう」の思いが蔓延していたのである

   私自身も気軽な気持ちで引き受けたのが、お門違いの始まりだった

★再生事業への道のり★

   まずは、そのお粗末な業務運営の内容にビックリ

   民間では、考えられない異常な経費や過剰な設備投資の数々

   それまでの損失補てんは、自治体(町)や巨大組織(JA)が担ってくれていた

   しかし、市町村合併や組織の統廃合による合理化が進む中

   いずれも、間違いなくいずれも経営破たんへの道をまっしぐらであった

   加えて、その後の経済不況や農産物価格の下落が経営を更に圧迫し始めていた


   全く再生の知識やスキルを持たずに飛び込んだ世界、、、

   知人に相談すると、「今のあなたには、無謀なことだから無理」と烙印を押され

   一時は四面楚歌の状況に追いやられ、心身とも疲れ果てていた

   「周りは、どうせダメになるのだから、やめればいい」、と簡単に言ったが

   そこには様々な人達が関わり、様々な理由で生活の基盤を置いている

   関わるほどに、“終り”を告げられない自分を責め続けたこともあった

★再生事業への道のり★

   、、、あらゆる手立てを試してみて、ひとつの施設は最近やっと下げ止まった

   確信は無いが、次への道筋が少し見えてきた(四年もかかってやっとだが)

   しかし、もう一方の仕事は、まだ何の光もみえないままでいる

   現実には、多くの人に犠牲を強いて、非情な態度で臨む再生への道

   再生はできて当たり前、誰も褒めても賞賛もしてはくれない仕事

   まして周囲の恨み、ねたみや無責任な中傷、非難はいつものこと

   この仕事は、金儲けだけを目的だけで、決してできるものではないが

   世間ではそうは見てくれないらしい・・・

   内心、正直に言えば本音は、すぐにも手放したいと思いつづけてきた

   しかし、今になって思えば

   誰かが手をつけなければならない仕事でもあったのかもしれない 


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この記事へのコメント
ストレートな記事をありがとうございます。
お勉強になります。
何をいわれても、経営者は前に進むしかありませんね。
やるしかないですよね。
JA  Lなどの巨大企業と違い、当然ですが、我々をだれも
助けてはくれません。
そして、責任は全部自分でかぶります。

蔭ながらですが、応援しております。

私の方は、「売上を伸ばすことは、考えるな。 買ってもらうには
どしたらよいかを考えろ。」を念頭に頑張っております。
失礼しました。
Posted by ヒロさん at 2009年09月29日 11:16
いろんな思いがあって、ここまでやってこられたと思います。
管理人さんの進んできた道は、くねくね道で、どうしてこっちに来ちゃったんだろうってきっと、何度も思われたのではないでしょうか。

傍でみていると(ご自身では認めたくない?かもしれませんが)故郷の山や人をとっても好きな管理人さんがみえて、羨ましいなとおもうこともあります。

先頭に立つことは、今の世の中では稀有なことだし、とっても大変なことだと想像つきます。でも、管理人さんには、ちゃんとご自分のなさっていることの理由があるように思います。
むなしい戦いではないと信じてがんばってください。
私たち周囲の人間は、こういうことを真面目に考えてみる機会を与えてもらっていることを感謝しているし、みんな自分にできることをやってくれるはずです。なんちゃって、わたしもがんばりますよ!
Posted by uta at 2009年09月29日 11:37
真摯に一生懸命毎日取り組んで来られたからこそ、今があるんでしょうね。いつも思いますが水窪が大好きなんでしょうね。なんとかこの水窪なってほしいといつも思っておられるのだと思います。影ながら応援しています。『すべての事 相はたらきて益となる』時間軸はかかるかもしれませんが、光射す道が見つかると思います。一度お話したいです。
Posted by 牛たろう牛たろう at 2009年09月29日 20:49
ヒロさん こんばんは

こちらこそ、いつも勉強させてもらっています
ヒロさんの博識には、頭が下がります

元来、農業しか知らなかった不器用な自分が
何故?こんなことしているのだろうと思うこともしばしばありました
・・・そうですよね、経営するものに後退は許されない
どんなことがあっても、理屈なしに前に進むしかないのですよね

自分なりに、少しは再生スキルの積み重ねはしてきたつもりですが
>「売上を伸ばすことは、考えるな。 
買ってもらうには、どしたらよいかを考えろ。」を念頭に・・・
この言葉に、その基本のすべてがあるように私も思います

もちろん、財務判断や経営戦略の構築といったプロとしての能力は必要です
ただ、再生というと、とかく大きな変革や変化を求めがちですが
都会の企業再生と違い、中山間地域での取り組みの場合には
小さな課題の抽出そして解決、たったひとりのユーザーへの満足度の追及、、、
そんな地道な作業のくり返しに尽きるのだと思います



utaさん こんばんは

強がりではありませんが
今になって振り返ると、この仕事に関わって自分は良かったのかなと
、、、そんな風に思っています
確かに紆余曲折の道筋、しんどい想いをしてはきましたが
支えてくれたり、応援し続けてくれた人達も周りにはいました

今の自分には、「俺はこんなにがんばったんだ!」とかの気負いは全くないし
まして「誰かの為にとか、地域への貢献、、、」なんて気持ちはさらさらありません
utaさんの言うように、ただ、この山の暮らしが気に入っていたから・・・
それだけのことだったかもしれません、(それでいいと自分では思っていますが)

仕事や人との出会いは、きっと何かの定め、導きみたいなものなのかな?(笑)
所詮、人の出来る事はたかが知れているのです
気負わず、おごらず、あきらめず、、、
あとは、与えられた仕事を成功に導く為に、日々粛々と取り組むのみですね
いろんなことがありましたが、今は自然体で事に向き合えればと思っています

・・・でも、どうしてこんな、くねくね道に来ちゃったんだろう?(笑)



牛たろうさん こんばんは

水窪の町が好き?かどうかは、当たり前のこと過ぎて
自分でも良くわからないのですが(笑)
ここに暮らしている以上、少しでも心地よい居場所であって欲しいとは思っています

時代の移り変わりの中で、失われていくものがあるのは仕方の無いことですね
しかし、誰かがもう少し頑張れば残せるものもあるのではないか?
ダメだ!とあきらめるのは、たやすいことだけど
もがきながら、しがみつくことも、時には必要じゃないかとか思うんです
(確かにカッコ悪い生き方ですが、、、)

ただ今は、あまり気張らず無理せずに出来ることをやる、、、そんな感じです
もう少し若かったら、もっと無茶できたんですが~~~歳ですね(笑)
Posted by 水窪 at 2009年09月29日 22:28
旗を持って先頭に立つことで
人がどれだけ弱い生き物なのか?を
とことん目の当たりにしたでしょうし
気心の知れた顔見知りだからこそ
通る話も通らないような矛盾にも
数知れず出くわしたことと思います

経営再建の手順や
コスト削減のための方法論など
高度に専門的な知識と経験を要することは
山積していたでしょうが
つまるところ
思惑に沿った流れに乗るか乗らないかを判断するのは
人なのだということでしょうし
そうなると最後は
議論を超えた
人対人との魂のせめぎ合いにまで行き着くだろうと思います

費やした努力は必ず功を奏して
きっと結果に結びつくでしょう‥などといった
安易なおまじないを唱えることは
かえって失礼になると思うのでいいません

釈迦に説法だということは重々承知していますが
どれだけの想いや理念があっても
個人でできることには限界があります
本来ならみんなが
または行政などが背負うべき重荷まで
独りで背負いこまないよう
祈って止みません

最後に無責任なことを書きます

たとえ誰からの賞賛も得られなかったとしても
思うような結果が得られなかったとしても
今水窪さんが体験していること
見ているもの
感じていることは
水窪さんだけが
見て、感じて、体験することを許されたものだと思います
その
ある意味では貴重極まる経験が
水窪さんの糧となり
それがどんなかたちであれ
明日や未来に繋がる道標になることを
願っています

他人事な軽い感想ですみませんでした


by まこりんPM
Posted by SCENESCENE at 2009年09月30日 04:11
コメントを拝見しても皆さんの真剣さに頭がさがります。

ついでといっては失礼ですが、
オートキャンプ場の奥にある国体の時のウォーミングアップ用の壁も再生しましょうよ。

壁、マット、ホールド・・・
概算で見積もっても500万円以上。
それが国体で使われただけでその後放置・・・

今年の夏 平成6年愛知国体で使った鳳来の壁の備品を新城市民の方達と活用し始めました。
水窪のものもマロニエの里での活用もあるだろうし、他での利用法もあるはず。勿体ないです。

PS ハコモノとして500万円は安いほうですが・・・
Posted by おが at 2009年09月30日 08:27
SCENEさん おはようございます

真摯なご意見をいただき、ありがとうございます
SCENEさんの言われるとおりで
再生と言う言葉の、ドラスティックな部分ばかりにとらわれると
ことの本質を見失うことも、おうおうにしてあります

本来は、施設や会社を立ち上げた行政や大企業が自らの責任の名において
幕引きまで担うのが当然であり責務であります
まして、経営の圧迫を理由に民間への丸投げなど無責任極まりない・・・
今の日本の根幹にかかわる問題だと思っています

しかし携わる人間がいなくなる以上、誰かが関わっていかなければ
責任の押し付け合いをしていても、地域住民にとり何の利益にもならず
結局は、そこで生活する者達が不利益をこうむるだけなのです
山間地、いや田舎の・・・と言うべきでしょうか
旧経営側とそこのバランスの取り方は、確かに難しいと感じました

再生の部分で経営者がひんしゅくを買ったり
厳しい追求をされるのは、この仕事の場合仕方の無いことだと思います
整理することで、これまでの仕事を失う立場の人があったり
間違いなく、そこで血を流したり切り捨てられる人がいるの現実だからです
よほど大きい組織なら、相手の顔も見ないでしょうが
こんな田舎町、皆が顔や立場を承知しているのですから、、、

最初、JAの直轄工場で組合員40名近くの前で挨拶をしたとき
「お前になんかに、任せられるのか!」
「よそ者が、口を出すな!」
よもや、こんな罵声が浴びせられるとは思いもしませんでしたが
これが追い詰められた人達の現実の姿でした
そして、一時間あまり、頭をさげつづけていたことがあります
(再建のために協力しに来たのに・・・これはないな)と正直、思いましたが

ただ・・・今で思えば、それも懐かしい話で
当時、そういった人達とも今は話あい、力をいただいています
再建の方法論は多々あるのでしょうが
やはり最終的には、人と人との理解に尽きるのでしょうね
そんなことを近頃は、考えています

もちろん、今後きれいごとで再生が出来るわけではありませんが
最初に人ありきでなければ、この仕事の意味は全く無いのだと思いますし
かすかな道筋もそこから、開けるのだと確信はしているのですが。。。
Posted by 水窪水窪 at 2009年09月30日 08:53
おがさん おはようございます

そうですね、この前の話・・・
とにかく一度役所サイドと交渉をしてみます
先日も少し担当者と話しましたが
浜松市になって、金銭負担や安全性や責任など問題など
いつものややこしい話がまづは出てきます

今後の活用の仕方や具体的な提案が必要になってくると思います
また、一度話しましょう
Posted by 水窪水窪 at 2009年09月30日 09:01
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