★チョッとした山村農業の話★

   先だっての、農薬についてのお話の続きですが・・・

   私が、これまでの慣行栽培から、無農薬栽培へと方向を転換したのは

   今から15年ほど前でした(当時の新茶注文のパンフレットが残っていますが)

   きっかけは、以前紹介した地元でいち早く有機栽培に取り組んでいた

   篤農家の藤永さんに出会ってからのことでした

   もうその頃は、様々な弊害を起こす農薬使用に疑問を持っていましたし

   大量の窒素施肥が、茶の木をいためていることも理解していました

   ただ、栽培法の転換は、農家にとっておおきなリスクを背負います

   当然のことながら、どの農家も当時はためらっていましたね

★チョッとした山村農業の話★

   そして、とりあえず病害虫がでても、思い切って農薬散布の作業をやめてみました

   案の定、夏前の二番茶は全滅、、、全く収入なしの年になりました

   藤永さんは、「ダメだよ!土も木も出来てないうちに、ただ止めたってさ」

   消毒の作業がない事は、農家にとって本当に楽なことです

   しかし、手をぬくことと、自然栽培にうつる事は全く違う

   雑草や病害虫は、とてつもなく厄介な敵となる


   「まずは、青草の堆肥をつくって、とにかく畝に鋤きこんでみな!」

   昔ながらの茅(かや)を茶畑の横に植えて増やし、鋤き込みながら

   教えてもらった茶の木の仕立て方法を何度か試してみる

   藤永さんや先輩農家は、仕立て方や時期で病気を回避できると言った

   でも、いつ、どの高さで仕立てるかは、勘と経験のみだから聞いてもわからない

   それに、どうしても無農薬は単位面積当たりの収量が落ちるから

   効率のよい収穫が出来る仕立ての形状に変える必要もある

   土作りや、そんなことのくり返しをしながら数年間、、、

   やっと農薬に頼らなくてもよい、健康なお茶が出来上がった


   今では仕立てのタイミングや技術は、当たり前のことになり難しくはないが

   その当時は、試行錯誤のくり返しだった

   よく茶の木や農作物に聞けば、今どうして欲しいのか?

   お茶や野菜が教えてくれるよ、、と言います

   あれ、まんざら嘘でもなくて、いつも見ているとなんとなくわかるんですね

   不思議なものです、、、だから絶対、人間の都合で無理しちゃダメなんです


   それでも、昨年の新茶のように数十年に一度の霜害で

   全く収穫が出来ないこともあります

   自然の営みの中では、良くも悪くも、全部ひっくるめてお付き合いなのですから


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