★街の相次ぐ廃業★

水窪

2009年10月13日 08:12

   地元で長く商売を続けてこられた飲食店が、また一軒廃業をしました

   先日、こちらの奥さんに会い、丁寧にお礼の言葉をいただいたのですが、、、

   既に店の看板や暖簾も片付けられていました




   この店は、私が水窪に戻って以来、若い頃から随分とお世話になったものでした

   若連、消防や自治会の会計の仕事が長かったせいもありましたし

   母と同じ、信州(長野)の出身ということもあり懇意にしてもらっていました

   ここしばらくは、ご主人を亡くされてから奥さんが頑張ってこられたのですが

   なにせ、夜遅くまで身体にきつい水商売の仕事

   そして、近頃では店に来られるお客も随分と寂しくなった様子

   もうそろそろ引退の気持ちだったと思います


   昭和30~40年代からの高度成長期、街が山林業全盛の時代

   この店でも、それはそれは、毎晩賑やかな宴(うたげ)が繰り広げられていました

   隣村の叔父が、山の庄屋さん(山で働く人達の親方ですかね)をしていていた頃

   この店で毎晩、働く山師達と遅くまで飲み明かしていたものです

   深夜、店に迎えに行くと何百本のお銚子が並んでいました(本当の話ですよ)

   一晩で何十万円(当時のお金で)と使っていたのですよね

   そして土木工事が隆盛の時代に移り、一時はこの街も建設バブルに踊りました

   そんな時もいずれ終焉を迎え、街も疲弊し衰退の一途をたどることになるのです

   幾多の時代を見続け、街の歴史の生き証人であったかのようなお店の廃業、、、

   挨拶をして帰る奥さんのうしろ姿が、何かもの悲しく寂しそうで

   「こちらこそ、お世話になりました」と、かける言葉も忘れていました
 

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