★田楽と折口信夫(釈迢空)★

水窪

2008年02月23日 07:28

   西浦田楽が今日、世間にここまで広められた要因のひとつに

   国文・民俗学者、折口信夫(釈迢空)との出会いが大きかったことは

   以前にこのブログでも紹介しました



   書庫を整理していたら、偶然に昔の『文芸読本、折口信夫』を発見!

   学生時代、文学青年?だった兄が多分読んでいたのだと思います

   折口信夫の人物像を、室生犀星・山本健吉・三好達治・大岡昇平・三島由紀夫

   当時のそうそうたるメンバーが語っています。


   三島の語る思い出の一説に

     『古代の語部と言ふものには何らかの肉体的宿命があったらしいが、

          先生もそれと同種の暗い肉体的宿命を負っていられた・・』 
とあります



   折口の精神にあるのは、日本における霊魂信仰、神、祭りであり生と死・・・

   代表作である難解きわまる『死者の書』にもそれは共通するものであり

   (本田秋五は、この本をピカソの作品に似ているといっていますが)

   また折口信夫は、折口信夫全集第2巻(中央公論社刊)で

     『西浦田楽は、厳しい戒律と世襲によって古い形の田楽能を

          今日に伝えている所に価値がある』
 と述べています

   西浦観音堂にある歌碑・・・

     『燈(ひ)ともさぬ 村を行きたり 山かげの 道のあかりは 月あるらしも』 

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